建築リノベーションとしての柳町
- 01 建築資源活用の柳町においてのポイント
- 02 建物 改修前、改修後。リノベーションってなんだ?
- 03 OpenAの柳町に対する考え方 / 馬場正尊
- 04 OpenA 鈴木みのりによる建築的な森永家・久富家
- 05 佐賀市役所の仕掛け / 都市デザイン課 武藤英海
- 06 古賀銀行 / 音楽イベント、カフェとしての文化財活用
OpenAの柳町に対する考え方 / 馬場正尊
まちは自立して
稼がないといけない。
「株式会社 柳町」の可能性
未来のまちづくりの
あり方を考える
建築家という仕事は、建築設計をし竣工して納めるところまでが仕事です。その後は、また次の案件へ移動していく職業。もちろんメンテナンスやリノベーションが発生してきたら、再びそれに関わることになっていくのだけれど、それは物理的・構造的なハードの不具合や壊れが出てきた時にお声がかかるもので、内部の事業が上手くいっていなかったとしても、建築家が呼ばれることはないのです。しかし、OpenAという設計事務所は変わった事務所です。真っ当な設計事務所でありながら、ソフト事業的な提案や「これあったらいいな」的な世の中の課題のようなものを自分達で勝手に見つけ出して、その課題を解決するために誰から頼まれた訳ではないけれど、課題解決型の事業を起こして行くという訳がわからない建築事務所でもあります。その大きなプロジェクトの一つが東京R不動産。建築家として建物を建てたり、設計したりというハードを整備するというよりも「たくさんいい建物あるのに、みんないい建物って気付いてない。そのポイントをしっかり教えてあげれば、入居者が入って、建物も入居者も嬉しいじゃん!」的な思想のもと作られた会社だと僕は認識しています。今では東京、山形、房総、稲村ケ崎、金沢、大阪、神戸、福岡、鹿児島とその仕組みが伝わり、増えて、さらに団地R不動産・公共R不動産と、建築物も住宅から公共物まで広がってきて、「視点を提供するというノウハウ」のオープンソースな考え方は広がりをみせています。非常に面白いプロジェクトです。今回インタビューにおいて、リノベーションプロジェクトを推進していった時の考え方と手法、そして、建築的な納品を終え、その後柳町がどうなった方がいいのか?という視点でディスカッションを行いました。このインタビューが建築的資源を活用しようという町や事業者、自治体にとっても参考になると思います。どうぞご覧あれ。